×

ニュース

艦載機移転 理解求める 菅氏 岩国で市長・知事と会談

 菅義偉官房長官は5日、在日米軍再編で米海兵隊岩国基地へ米海軍厚木基地(神奈川県)から空母艦載機の移転を計画する岩国市を訪れ、山口県の村岡嗣政知事、福田良彦市長とそれぞれ会談した。「米軍と連携し安全確保と騒音防止に万全を期す。地域振興策は目に見える形で実現したい」と述べ、移転への理解と協力を求めた。

 同市愛宕町のいわくに消防防災センターであった福田市長との会談で菅官房長官は、「米軍機の飛行は安全面の確保が大前提」と安全対策を最優先する認識を示した。県と市が移転の前提として、再編に含まれる米軍普天間飛行場の移設の進展を挙げている点には、「昨年の最高裁判決を受けて辺野古への移設工事を着実に進めている」と説明した。同センター屋上から、艦載機移転に伴い国が建設中の野球場なども視察した。

 福田市長は、再編に関連して国に要望してきた43項目の安心安全対策と地域振興策について「いまだに課題が残っている」と指摘。これまで岩国基地への空中給油機部隊移転や最新鋭ステルス戦闘機F35Bの配備などに協力してきた経緯から「国も覚悟を持って政治判断をしてほしい」と迫った。再編交付金の増額などもあらためて要請した。

 これに先立ち、同市三笠町の県岩国総合庁舎で会談した村岡知事は「移転については地元市町の理解を得てほしい」と求めた。

 艦載機移転計画を巡り、国は1月20日、県市に「早ければ7月以降」と移転時期を伝達。2018年5月にかけて7部隊計約60機が順次配備される予定だ。県と市は移転容認の是非を表明しておらず、福田市長は国への要望の達成度合いを判断材料の一つとする。(野田華奈子、佐藤正明)

(2017年2月6日朝刊掲載)

年別アーカイブ