ハンガリー・仏へ職員派遣 広島の原爆資料館 海外博物館と連携へ
17年2月7日
海外で被爆の実態を発信する機会を増やそうと、原爆資料館(広島市中区)は新年度、戦争をテーマにした海外の博物館との関係強化に乗り出す。企画展の相互開催などに向けて協議に入り、将来は所蔵品の貸し借りや職員の相互派遣につなげたい考え。まずはハンガリーとフランスの2館を候補に選んだ。(長久豪佑)
ハンガリーは、首都ブダペストにある「岩の病院・核の避難所博物館」。もともと地下壕(ごう)だった施設で、第2次世界大戦中は軍事病院として利用され、今は戦時下の様子を伝えている。6~10月に広島、長崎両市が同館で原爆展を開くのを縁に、連携を深めていく。
フランスは、第2次大戦のノルマンディー上陸作戦で激戦地となったカーン市にある「カーン記念館」。被爆瓦を1986年から永久貸与しているという。
原爆資料館の志賀賢治館長が両館を訪ね、それぞれの責任者たちと、所蔵品の貸し借りや、研修のための職員の相互派遣などを念頭に、連携内容を話し合う。相手先には、各国の戦争被害を被爆地で発信できるのがメリットになるとみている。市は新年度一般会計当初予算案に渡航費用など751万円を計上した。
原爆資料館は過去にドイツやスイスの博物館の要請に応じて展示資料を貸し出したが、計画的な連携を探るのは開館後初めて。来月に始まる「核兵器禁止条約」の制定交渉を後押しする狙いがある。啓発課は「米国のオバマ前大統領の訪問で国内外から広島への関心は高まっている。連携する博物館を広げたい」としている。
(2017年2月7日朝刊掲載)
ハンガリーは、首都ブダペストにある「岩の病院・核の避難所博物館」。もともと地下壕(ごう)だった施設で、第2次世界大戦中は軍事病院として利用され、今は戦時下の様子を伝えている。6~10月に広島、長崎両市が同館で原爆展を開くのを縁に、連携を深めていく。
フランスは、第2次大戦のノルマンディー上陸作戦で激戦地となったカーン市にある「カーン記念館」。被爆瓦を1986年から永久貸与しているという。
原爆資料館の志賀賢治館長が両館を訪ね、それぞれの責任者たちと、所蔵品の貸し借りや、研修のための職員の相互派遣などを念頭に、連携内容を話し合う。相手先には、各国の戦争被害を被爆地で発信できるのがメリットになるとみている。市は新年度一般会計当初予算案に渡航費用など751万円を計上した。
原爆資料館は過去にドイツやスイスの博物館の要請に応じて展示資料を貸し出したが、計画的な連携を探るのは開館後初めて。来月に始まる「核兵器禁止条約」の制定交渉を後押しする狙いがある。啓発課は「米国のオバマ前大統領の訪問で国内外から広島への関心は高まっている。連携する博物館を広げたい」としている。
(2017年2月7日朝刊掲載)