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比治山「平和の丘」再整備着手へ 広島市17年度予算案 4000万円計上

 広島市は2017年度、「平和の丘」構想を掲げて南区の比治山公園の再整備に着手する。基本計画案の1期(17~18年度)として被爆建物の頼山陽文徳殿の改修など、今ある施設に「磨きをかける」という。6日発表した一般会計当初予算案に関連費計約4千万円を盛り込んだ。(長久豪佑)

 頼山陽の没後100年を機に記念堂として1934年に市が建てた文徳殿は鉄筋平屋140平方メートルで山裾にある。原爆の爆心地から約1・8キロに位置し、爆風で屋根飾りが変形した。戦後は教育施設として使われたが、今は閉鎖している。

 市の計画では、被爆の実態を伝える見学会の会場に使えるよう内部に空調を設置し、屋外トイレを設ける。17年度に設計し、18年度に工事をする。

 17年度はほかに、まんが図書館前の広場に屋根を設けるための設計を開始。山頂近くにある陸軍墓地では、広場整備に向けて老朽化した礼拝堂を取り壊す。名所である桜の樹勢調査も進める。

 市は被爆70年の15年に平和の丘構想を発表。16年12月に公表した計画案では、展望施設の整備などを2期(19~21年度)に、日米両政府が共同運営する放射線影響研究所が移転した場合の跡地活用を3期に位置付ける。民間施設も誘致する方針で、再整備完了後の運営主体について17年度から検討する。

 市政策企画課は「比治山の眺望や自然環境の良さを十分に生かせるよう、整備を進めたい」としている。

(2017年2月7日朝刊掲載)

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