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広島の原爆資料館 訪問者最多へ 16年度 オバマ氏来館が後押し

 原爆資料館(広島市中区)の2016年度の入館者数が、25年ぶりに過去最多を更新する見通しになった。最も多い1991年度の159万3280人まで4万人弱に迫っており、資料館は「今のペースだと今月下旬から来月上旬の間に上回る可能性が高い」と話す。外国人旅行者の増加に加え、オバマ米大統領(当時)が来館したことが後押しになったとみられる。

 今月7日時点の集計によると16年度の入館者は155万4737人。被爆70年で関心が高まった15年度1年間の149万5065人を既に上回る。昨年5月27日のオバマ氏の広島訪問後は、6月が15年度同月比41・8%増、7月が同40・6%増となるなど、全体でも15年度同期比18・5%増の好調が続く。市は昨年6月から、オバマ氏が来館時に贈った折り鶴を資料館で展示。反響が大きく、先月末までとしていた展示期間を当面、延長している。

 入館者数が150万人を超えたのは被爆50年の95年度以来で、55年度の開館以降5度目。また16年度の外国人入館者数は7日時点で32万3533人となり4年連続の最多更新が間近だ。

 資料館は現在、構造補強工事のため東館の展示スペースを閉鎖中。3月下旬に再公開され、入れ替わりに本館を耐震補強工事と改装のためいったん閉じる。(長久豪佑)

(2017年2月9日朝刊掲載)

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