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明治30年代 企業的漁業 島根県が竹島の資料確認 領土編入願 提出につながる

 島根県は17日、日韓両国が領有権を主張する竹島(韓国名・独島(トクト))で、明治30年代に隠岐の島町の住民が企業的な漁業をしていた実態を示す資料が見つかったと発表した。竹島での安定的な操業を目指し、1904(明治37)年9月の領土編入願の提出などにつながったとみている。

 資料は県公文書センターが所蔵する石橋松太郎組の03、04年の漁業実績書。石橋氏は竹島でのアシカ猟を開拓したとされ、従事者の名前のほか、銃や火薬などの品目と代金、アシカの収穫数、皮を塩漬けにして得た金額など収支も記載している。県が05年、漁業許可を認可する際、過去2年の実績を提出させたという。

 同町の個人宅からは、1897年ごろ、石橋氏が人を雇って竹島のアシカ猟で大もうけしていたことなどを記す文書も見つかり漁業実績書の内容を裏付ける。

 政府への編入願は、同時期にアシカ猟をしていた中井養三郎氏が提出。1905年1月に編入が閣議決定された。県竹島対策室は「石橋の漁業経営を機に、アシカ猟の本格化、編入の動きに進展したといえる。編入前の竹島漁猟の具体像が判明した貴重な資料」としている。(小林正明)

(2017年2月18日朝刊掲載)

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