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核兵器禁止条約 学生ら模擬交渉 広島市中区

 若者たちが核軍縮会議を模擬体験するセミナーが19日、広島市中区の原爆資料館であった。県内の高校生や大学生、留学生約50人が、核兵器禁止条約の締結交渉を想定し、保有国や非保有国などの立場に分かれて議論した。

 核保有国▽非保有国▽「核の傘」に依存する国▽日本―の4グループに分かれ、意見を交わした。保有国が核抑止力の必要性を強調したのに対し、非保有国は「小国にとって大国の核兵器は脅威だ」と全廃を訴えた。

 一方、被爆国の日本は「核廃絶の重要性は理解するが、北朝鮮などの脅威を考えると今すぐ全廃は難しい」と主張。最終的に核軍縮や非人道性の認識について各国間ですり合わせ、合意した表現で決議文を採択した。

 「核の傘」に依存する国の立場で参加した呉市の修道高1年藤川琢真さん(16)は「個人的には核廃絶を訴えたいが、いろんな国の立場で考える重要性が分かった」と話した。

 核兵器廃絶のメッセージを発信する「ひろしまレポート」作成事業の一環で県が企画した。大阪女学院大の黒沢満教授(軍縮国際法)たち4人による核軍縮に向けた国際情勢の講演会もあった。(和多正憲)

(2017年2月20日朝刊掲載)

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