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トランプ政権と連携 岸田外相 「核兵器のない世界」へ 「日本の取り組み説明」

 岸田文雄外相は21日、中国新聞のインタビューに応じ、「核兵器のない世界」の実現に向け、発足1カ月となった米国のトランプ政権に連携を働き掛けていく考えを示した。「日本がどんな取り組みを考えているのか、しっかりと米側に説明していく」と述べた。

 核兵器廃絶に関するトランプ政権の考え方については「『核兵器のない世界』の目標を引き続き共有していると思っている」と強調。その理由を「(米国の)考え方が変わったとは一言も聞いていない」とした。

 「核廃絶へ日本が国際社会の議論をどうリードしようとしているか米国に説明し、意思疎通を図る」と述べ、協力を深めていく意向も示した。核兵器保有国に核戦力の透明性を働き掛けるなど「現実的、実践的な取り組み」を続けるとした。

 3月に始まる核兵器禁止条約の多国間交渉については、日本が参加するかどうかは未定とした上で、「核保有国の協力なくして一方的な議論をしても結果は出ない」と力説。交渉会議の進め方などの方向性を見極めるとした。16日の準備会合に欠席した理由は「交渉に参加するかどうかを決めてから具体的な行動をとると考えていた」と話した。

 岸田氏は今月、米国を訪ねてティラーソン国務長官と会談し、安倍晋三首相とトランプ大統領の首脳会談にも同席した。「日米同盟が揺るぎないことを確認できた」と成果を強調した。(田中美千子)

(2017年2月22日朝刊掲載)

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