×

ニュース

竹島問題を語る交流会 進展見えず いら立ち 島根県民ら「領土確立を」

会場周辺では日韓団体もみ合い

 島根県が条例で定める「竹島の日」の22日、昨年に続き、記念式典前に松江市で「竹島問題を語る国民交流会」が開かれた。地元関係者からは、解決へ具体的な進展が見えないことにいら立ちの声が上がった。

 交流会は県民の声を国に届けるため、竹島領土権確立県議会議員連盟(竹島議連)が主催し、国会議員や県議、県民ら計130人が参加。9班に分かれ、不満や疑問をぶつけ合った。

 父親が1954年5月の竹島で試験操業に参加した漁業佃諭さん(70)=同県隠岐の島町。「竹島周辺で漁ができない。とにかく早く領土確立を」と望んだ。

 参加者からは「友好の名の下に日本が引くべきではない」「3歩進んで2歩下がる外交。いらいらする」との意見が出たほか、県のスローガン「竹島かえれ島と海」について、「かえせに直すべきだ」との声もあった。

 一方、次期学習指導要領の改定案で「固有の領土」と明記された点を評価する人も。全国の有志約千人でつくる「県土・竹島を守る会」事務局長の梶谷万里子さん(70)=松江市=は「ようやくだけど、格段の進歩」と話した。

 「切実な訴えや問題点を国会議員に認識してもらえたと思う」と竹島議連の原茂充会長。超党派でつくる「日本の領土を守るため行動する議員連盟」会長の新藤義孝衆院議員は「竹島は国が取り組むべき古里の問題だ」と力を込めた。

 昨年6月のヘイトスピーチ対策法施行後、初となる記念式典。会場周辺では、県警が岡山、山口、愛媛県警から応援を受け、約730人態勢で警戒した。街宣活動したのは約30団体約60人。韓国人のグループが韓国国旗を掲げると、国内の団体が「帰れ」などの罵声を浴びせ、もみ合いになるのを警察官が止める場面もあった。(小林正明、口元惇矢)

(2017年2月23日朝刊掲載)

年別アーカイブ