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日本、準備会合参加へ 核物質生産禁止条約交渉控え

 岸田文雄外相は24日の記者会見で、核兵器の材料となる核物質の製造を禁止する兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の交渉開始に向け、国連が近く設ける「ハイレベル専門家準備グループ」に参加する、と発表した。

 FMCTは核兵器用の高濃縮ウランやプルトニウムの生産を禁ずる目的で、米国が1993年に提案した。準備グループは国連事務総長が選んだ25カ国で構成。核兵器保有国も含まれ、2017、18年に2週間ずつ会合を開き、条約内容について勧告をまとめる。

 これまでFMCTの制定に向けてジュネーブ軍縮会議で交渉することは決まっているが、各国の思惑が入り乱れ、開始に至っていない。岸田外相は「核兵器のない世界に向けた現実的、実践的取り組みとして重要。条約交渉の開始につながるよう積極的に議論に貢献したい」と話した。

 17年は8月に開催される見通しで、日本は前軍縮大使で外務省参与の佐野利男氏を派遣する考え。一方、日本政府は3月に国連で始まる核兵器禁止条約の交渉会議について、参加するかどうかまだ決めていない。(田中美千子)

(2017年2月25日朝刊掲載)

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