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[気になる@広島] 平和大橋そばに「煙突」2本。何しているの? 

「作業室」沈め川底掘削

 広島市中区の元安川に架かる平和大橋のすぐそばで、川の中から山吹色の煙突のような2本の設備が突き出しているのが目立ちます。何をしているのでしょうか。

上流側に歩道橋整備

 市が平和大橋に沿って新しい歩道橋を架ける工事をしています。

 平和大橋の歩道は両側とも狭くて混雑します。でも太陽を模した親柱をはじめ、欄干を世界的な彫刻家イサム・ノグチ(1904~88年)がデザインしており、橋を改修して広げるのは困難。そのため、平和大橋の景観を損ねないようにして、上流側の欄干沿いに歩行者と自転車用の幅5・7メートルの新橋を設けるのです。

 2014年度に始まった工事は今、川の中央に建てる1本の橋脚(約26メートル)を埋め込む工程ですが、この工法がユニーク。コップを逆さまにして水中に沈めるように、高さ2メートルの「作業室」を川底に沈め、内部で作業員がショベルカーを操り掘り下げているのです。

 山吹色の設備は「ロット」と呼ばれ、1本は直径約1・23メートル、長さ29・0メートル。作業員が出入りするらせん階段が通っています。もう1本は直径1・35メートル、長さ31・5メートルで、川底から土砂を運び出すバケツが昇降しています。いずれも作業室につながっています。運び出した土砂は排土設備にためた後、トラックで搬出されます。

 市は橋脚工事を今月から24時間体制で進めます。作業のために川の中に建てた足場が流れに影響を与えるため、梅雨時までに終わらせたいからだといいます。完成目標は18年度。市道路計画課は「混雑緩和につなげたい」としています。完成後は、現在の平和大橋の歩道をなくし、車道を広げます。(和多正憲)

(2017年2月26日朝刊掲載)

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