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平山郁夫さんの遺影登録 広島祈念館 館内で公開

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)は1日、尾道市瀬戸田町出身の日本画家、平山郁夫さん(2009年に79歳で死去)の遺影を登録したと発表した。館内で公開している。

 平山さんは旧制修道中の生徒だった1945年8月6日、学徒動員先の広島陸軍兵器補給廠(しょう)の材木置き場(現在の南区仁保地区)で被爆。被爆の後遺症と闘いながら初期の代表作「仏教伝来」を描いた。

 遺影は、弟で平山郁夫美術館長の助成さん(74)=尾道市=が提供し、2月20日に登録された。助成さんは「原爆の惨状を二度と繰り返させないという思いを絵に込めていた。亡くなられた多くの方々とともに見てほしい」と話している。遺影とともに、中国新聞に連載された平山さんの聞き書きをまとめた本「私の道 瀬戸内の潮騒に育まれて」も寄せた。

 同館は原爆死没者の名前・遺影や被爆体験記を収集し、公開している。2月28日時点で、名前・遺影は2万1583人分が登録されている。(野田華奈子)

(2017年3月2日朝刊掲載)

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