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被爆証言の継承誓う 沼田鈴子さん しのぶ会

 広島市中区の平和記念公園にある被爆アオギリの下で被爆体験の証言を続け、昨年7月に87歳で亡くなった沼田鈴子さんをしのぶ会が30日、公園内の原爆資料館であった。約50人が集まり、平和の大切さを訴え続けた沼田さんの遺志を継ぐ決意を新たにした。

 全員で黙とう後、親交のあった5人が思い出を語った。ともに「ヒロシマを語る会」で活動した豊永恵三郎さん(76)=安芸区=は「核兵器と戦争は『絶対許さない』という強い信念を持っていた」と語った。

 参加した廿日市市の中学校教諭田丸茂さん(59)は「こんな強い人がいたんだと、子どもたちに伝えたい」と話していた。

 沼田さんは22歳の時に被爆し、左足を切断した。その後は被爆に耐えて芽吹いたアオギリに自身を重ねて希望を取り戻し、広島を訪れた修学旅行生たちに被爆体験を証言した。

 しのぶ会は沼田さんが設立に携わった「被爆アオギリのねがいを広める会」の主催。沼田さんの誕生日に合わせて開いた。(長久豪佑)

(2012年7月31日朝刊掲載)

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