×

ニュース

被服支廠の活用探る 教員ら40人 平和学習へツアー 広島市南区

 広島県が保存活用策を検討している広島市南区の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」を見学するツアーが3日、現地であった。全国から教員たち約40人が参加し、平和学習に役立てる可能性を探った。

 原爆投下後に救護所となった歴史を学んだ後、通常は非公開の建物内部を懐中電灯で照らしながら歩いた。児童文学作家中澤晶子さん(63)=東区=の朗読で、救護所の惨状をつづった峠三吉の原爆詩集の一節を鑑賞し、72年前に思いをはせた。

 広島電鉄の被爆電車にも乗り、女学生の時に車掌だった笹口里子さん(85)=西区=の被爆体験を聞いた。大阪市の小学校教諭松本理沙さん(28)は「建物の中の暗さがかえって、被爆後の雰囲気を思い起こさせた。修学旅行で来たい」と話した。

 広島と福島をメインテーマに同日始まった「Weフォーラム」(実行委員会主催)の一環。5日まで中区袋町の合人社ウェンディひと・まちプラザでシンポジウムなどがある。(馬場洋太)

(2017年3月4日朝刊掲載)

年別アーカイブ