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山口でも差し止め申請 伊方原発 住民が地裁岩国に

 四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)3号機の運転差し止めを求め、山口県の住民3人が3日、山口地裁岩国支部に仮処分を申し立てた。伊方原発3号機を巡る同様の請求は松山、広島、大分の各地裁に続いて4カ所目。

 支援団体「伊方原発をとめる山口裁判の会」などによると、申立人は上関町祝島と柳井市平郡島、周防大島町の男女3人。伊方原発と居住地の距離は三十数キロ~四十数キロという。3人は中国電力が上関町で計画する上関原発建設への反対運動にも参加している。

 申立書では、伊方原発は南海トラフに加え、中央構造線断層帯など長大な活断層の近くにあり、大地震で猛烈な揺れや津波に襲われる懸念があると指摘。重大事故が起きれば、放射性物質の放出によって大気や瀬戸内海が汚染され、申立人の生命や生活に深刻な被害を与えると主張している。

 弁護団の中村覚弁護士は「事故発生時、島に住む申立人たちが避難するのはほぼ不可能」と強調。今後さらに原告となる住民の参加を募り、年内に訴訟を起こす方針。

 四国電力は「申立書を確認した上で、発電所の安全性を裁判所に丁寧に主張し、立証を尽くしたい」とコメントした。(松本恭治)

(2017年3月4日朝刊掲載)

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