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被爆75年めど「復興の集大成」 松井広島市長が構想策定表明 未利用地の活用方針明示

 広島市の松井一実市長は31日、8月6日の原爆の日を前に中国新聞のインタビューに応じた。被爆75年の2020年を目標に、旧市民球場(中区)の活用や基盤整備などを進める「復興の集大成」構想を本年度中にまとめる考えを明らかにした。

 原爆投下によって広島が「75年間は草木も生えない」といわれたことを踏まえ、75年後に当たる20年という節目を重視。松井市長は「新たな繁栄の一歩を踏み出したという状況をつくりたい」と構想策定に意欲を示した。

 具体的には20年を目標年とし、旧市民球場跡地(中区)や今秋に廃港となる広島県営広島西飛行場(西区)など未利用地や大規模開発エリア「ひろしま西風新都」(安佐南区、佐伯区)の活用、開発方針を明示する。

 財政難で凍結中のアストラムライン延伸計画も、西風新都線(広域公園前―JR西広島駅、6・2キロ)の事業化を前向きに検討。1999年に試算した事業費約700億円を縮減した上で「少なくともどういう形で実現させるかという方法論を盛り込む」と述べた。

 構想の素案を年内にも公表する。議会や市民の意見を反映させて、本年度中に構想を固める。来年度予算の編成作業の過程で優先順位の高い事業を具体化させる方針でいる。

 松井市長は「20年の広島がこうなるという、分かりやすい大きな絵図面と工程表を示す。全体像を見せながら、事業の優先順位についてしっかり説明したい」と強調した。(藤村潤平)

(2012年8月1日朝刊掲載)

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