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国連ポスターに広島発イラスト 海外で話題 「女性を探せ」進まぬ参加風刺 

 国連の組織「UNウィメン」(本部・米ニューヨーク)が女性の地位向上を目指すキャンペーンの公式ポスターに、広島市中区のイラストレーター、カミガキヒロフミさん(50)=写真=たちが手掛けた作品が採用され、話題を呼んでいる。8日には中東の最大規模の広告祭、「ドバイ・リンクス」で金賞を受賞した。

 「彼女を探せ」と題した3枚組。一つはロケットやロボットを製造する現場を精密なイラストで表現している。男性技術者で埋め尽くされた職場にたった一人の女性を紛れ込ませ、目を凝らして探す仕掛けだ。ほかに議会や研究所も描き、なかなか女性の参加が進まない実態を風刺する。

 UNウィメンは2010年、国連女性開発基金など4機関を統合して設立された。より良い職場に向けたメッセージを発信するポスターの画像は、フェイスブックやツイッターでも世界に広がりつつある。

 カミガキさんは米ニューヨーク・タイムズ・マガジンの表紙や、検索大手グーグルの絵文字などを制作した実績がある。今回のポスターはUNウィメンのエジプト事務所が企画し、経営するデザイン会社IC4DESIGN(アイシーフォーデザイン)に依頼があった。カミガキさんは「作品が現実を直視するきっかけになり、活躍する女性がどんどん増えてほしい」と願っている。(桑島美帆)

(2017年3月10日朝刊掲載)

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