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岡山県内避難者の思い公開 苦悩や決意 12家族つづる 市民団体がHP 3・11

 東日本大震災の影響で県内に避難する人たちを支援する岡山市の市民団体「子ども未来・愛ネットワーク」は、避難者の思いをホームページ(HP)で公開し始めた。11日で震災発生から6年。住み慣れた場所を離れる苦悩や戸惑い、岡山で暮らす決意をしたためている。(加茂孝之)

 「311から岡山へ」と題して1日から公開。震災や福島第1原発事故後に福島や群馬、千葉県などから避難してきた30~50歳代の12家族の思いを自身の執筆や聞き取りでまとめた。

 放射能汚染を心配して古里を離れたり、親族たちを頼って各地を転々としたり…。苦悩を振り返りながら、岡山での生活に慣れた子どものことを考えて帰郷を思いとどまる気持ちや、新たな仲間との出会いに救われた経験などをつづる。

 同団体は昨年2月、福島からの避難者の思いをまとめた冊子を作製。「福島以外の避難者の実情も知りたい」という声を受け、関東地方からの避難者も含めた声をHPで公開することにした。

 県によると、県内へ避難している人は2月時点で1016人。前年同期より75人減った。福島県は全国各地に自主避難している住民への住宅の無償提供を3月末で打ち切る。

 福島県磐梯町から2011年に岡山市へ移り住んだ同団体の飯塚亜希さん(43)は「まだ避難を続ける人の6年間の思いを知ってほしい」と強調。「住宅の無償提供打ち切りで再び転居を余儀なくされる避難者もいる。行政は住居面での支援をしてほしい」と話す。

(2017年3月10日朝刊掲載)

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