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オスプレイ 西中国山地空域で訓練も

エリア567 米海兵隊が示唆

 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ配備に伴う飛行訓練が、西中国山地の訓練空域「エリア567」で行われる可能性があることが1日、在沖縄米海兵隊(沖縄県)への取材で分かった。

 「エリア567という訓練空域はあるか」との中国新聞の質問に対し、在沖縄米海兵隊は「エリア567は米海兵隊岩国基地(岩国市)のそばにある」と回答。詳しい空域は明らかにしなかった。

 さらに「エリア567をオスプレイが訓練で使用することはあるか」との問いには、「オスプレイは使用を許可された空域であれば、どこででも運用できる」と説明。「ほかの多くの米軍機が所属基地でない施設へ一時的に飛来するように、オスプレイもまれに日本本土の米軍施設や領域を使うことがある」と答えた。

 エリア567は米側の呼称で本来は航空自衛隊の訓練空域だが詳細は不明。米軍機が低空飛行し、空爆を想定した対地攻撃訓練などに使っているとみられる。

 米軍がオスプレイの日本での運用に向けて作成した環境審査報告書には、中国山地を東西に貫く飛行経路とされる「ブラウンルート」とともに記されていない。

 エリア567での米軍機とみられる低空飛行の目撃情報は昨年、広島県は廿日市市など1市2町で計1257件。島根県は浜田市など3市2町で計240件あった。

 基地監視団体「リムピース」共同代表の田村順玄岩国市議は「オスプレイが、敵のレーダーを避けながら輸送能力を高める訓練のために低空飛行をすることも考えられる」と警戒している。(酒井亨)

エリア567
 廿日市市北部、島根県邑南町、萩市沖の上空を各頂点とする三角形の空域。広島県では廿日市市、北広島、安芸太田両町、島根県では浜田、益田、江津の3市と川本、邑南両町、山口県では岩国市北部などが域内に入るとみられる。

(2012年8月2日朝刊掲載)

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