×

ニュース

「黒い雨」拡大 厚労相に要請 民主議員懇方針

 民主党の被爆者問題議員懇談会は1日、国会内で会合を開き、広島原爆の「黒い雨」の援護対象となる国の指定地域見直しについて協議した。広島市などが求める現行の約6倍への拡大を見送った小宮山洋子厚生労働相に、政治判断での拡大を要請する方針を決定。6日までに面会する方向で調整する。

 広島、長崎両県選出などの国会議員9人が出席し、非公開で意見交換。高木義明会長(長崎1区)によると、同省の有識者検討会が拡大に否定的な報告をした点を踏まえつつ「67年前の事象に科学的根拠を求めるのは不可能」などとして、市側の要望通りの地域に広げる方向での対応を厚労相に求めることにしたという。

 高木氏は「簡単ではないが、実情を踏まえた配慮をお願いしたい」と話した。

 意見交換に先立ち、地元の住民団体から聞き取り。上安・相田地区黒い雨の会(安佐南区)の曽里サダ子さん(74)は「本当に黒い雨が降った。私たちが被爆した事実を認めてほしい」と強調。県「黒い雨」原爆被害者の会連絡協議会の牧野一見事務局長(68)は「検討会は現地調査をせず、旧来の政府見解に偏った資料で議論した」と批判した。(岡田浩平)

(2012年8月2日朝刊掲載)

年別アーカイブ