×

ニュース

胸に迫る 被爆者遺影2111人 平和祈念館が10周年企画展

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)の開館10周年を記念した特別企画展「失われた爆心の街」が1日、始まった。無料。9月30日まで。

 祈念館がある平和記念公園周辺で被爆した人の遺影2111人分(名前だけを含む)を展示。被爆体験記8編も紹介する。にぎやかだった被爆前の一帯の写真94点とともに、祈念館建設時に採取した、被爆の痕跡が残る地層の断面標本を11年ぶりに公開している。

 浅川伸二館長は「にぎやかだったかつての公園一帯を一瞬で焦土にした原爆の恐ろしさ、平和の尊さを感じ取ってほしい」と呼び掛ける。

 祈念館は国が被爆者援護法に基づいて建設し、2002年8月1日に開館。ことし7月末までに約212万人が訪れた。原爆死没者約1万8500人分の遺影と約13万編の被爆体験記を所蔵する。

 祈念館は特別企画展に合わせ、原爆で被災した市内の状況や公園内の被爆前の街並みを紹介する地図(縦59センチ、横83センチ)を3千部用意。希望者に無料で配布する。(山本乃輔)

(2012年8月2日朝刊掲載)

年別アーカイブ