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被爆の記憶 清め継承 12年ぶり 原爆の子の像を洗浄

 原爆の日を前に1日、広島市中区の平和記念公園にある「原爆の子の像」が12年ぶりに本格的に洗い清められた。排ガスなどによる汚れを落とし、被爆67年の平和記念式典を迎える。

 ドイツの清掃機器メーカーの日本法人ケルヒャージャパン(宮城県大和町)がボランティアでの洗浄を市に申し出た。社員3人が黙とうをささげて作業を開始。高さ約9メートルの像の周囲に足場を組み、高圧洗浄機で温水を吹き付けた。約2時間かけて黒ずんだ汚れを洗い流した。

 散歩で訪れた衣料販売業片田和久さん(60)=西区=は「ずっと洗ってあげたいと思っていた。被爆の記憶が風化しないよう見守ってほしい」と話していた。

 原爆の子の像は1958年に建立された。市によると、本格的な洗浄は今回と同様、同社が手掛けた2000年に続き2回目。(長久豪佑)

(2012年8月2日朝刊掲載)

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