×

ニュース

戦争のむごさに敵も味方もない 被爆死米兵調査 森さん講演 広島市中区

 広島で被爆死した米兵捕虜12人を調査してきた歴史研究家で被爆者の森重昭さん(79)=広島市西区=が20日、「被爆米兵のその後」と題して中区の原爆資料館で講演した。市民たち約150人を前に「こうした犠牲が二度と起きてはいけないという気持ちで続けてきた」と調査の意義を語った。

 森さんは「戦争のむごさに敵も味方もない。どう亡くなったのか遺族に知らせたかった」と強調。昨年5月、広島を訪れたオバマ米大統領(当時)と言葉を交わし、抱き合った場面に触れ「何十年も続けてきたことを大統領が認めてくれ、涙が出た」と振り返った。

 広島平和文化センターの主催。森さんと米兵捕虜の遺族の交流を描いたドキュメンタリー映画「灯籠流し(ペーパー・ランタン)」の上映もあった。

 同資料館のピースボランティア福島正昭さん(73)=南区=は「遺族の悲しみに国籍は関係ない。戦争を繰り返してはいけないとあらためて感じた」と話した。(長久豪佑)

(2017年3月21日朝刊掲載)

年別アーカイブ