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核なき世界 見つめる 被爆者らの93点 広島市中区でマスク展

 被爆者や被爆2世たちの顔をかたどった和紙製の「ピースマスク」の展示が24日、広島市中区小町、妙慶院講堂で始まった。被爆者たちの人生や平和を願う思いを伝えようと、京都市のNPO法人が企画。26日まで。無料。

 広島、長崎市などの被爆者と被爆2~4世で10~90代のマスク93点を、縦約1メートル、横約6メートルの布に留めた。刻まれたしわや多様な目鼻口の形が生きざまを物語る。顔に石こうを塗って型を取り、和紙を貼り重ねて作った。中区のパート竹岡貴恵さん(35)は「表情に平和への気持ちがにじみ、考えさせられる」と見入っていた。

 2015年11月から広島市など7市町と韓国・陜川で顔型を採取。目標は100人分で展示会場でもマスクを作り、25日に達成する。同法人で制作の中心メンバーの造形作家金明姫(キム・ミョンヒ)さん(67)は「命の尊さや核廃絶の願いも感じ取ってほしい」と話している。

 26日午後1時半から、中区の原爆資料館で完成記念講演会があり、立命館大の安斎育郎名誉教授が「核兵器廃絶への道」を話す。(渡部公揮)

(2017年3月25日朝刊掲載)

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