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[核なき世界への鍵] 条約交渉会議 27日開幕 機運盛り上げ NGO集い

 核兵器を禁止し、全廃するための初の条約を作る交渉会議が27日、米ニューヨークの国連本部で始まる。条約で禁止する事項や、交渉開始に反対している核保有国を巻き込む道筋が焦点となる。推進する非政府組織(NGO)は25日から国連本部の近くで、被爆者たちの訴えを基に会議の意義や条約像を考えるイベントを展開。会議成功へ、機運の盛り上げを図っている。(ニューヨーク発 水川恭輔)

 条約交渉は昨年の国連総会で決議され、核兵器の非人道性を声明や国際会議を通じて強調してきたオーストリアなどの非保有国が主導。今回の会期は31日までで、条約の前文・目的、禁止事項、付随した制度の順に議論する。開発や保有、使用を含むあらゆる行為を即時に禁止する「禁止先行条約」が有力。参加各国の共通認識を得て、6~7月の次回会議までに条約の草案をまとめたい考えだ。

 条約推進各国と連携するNGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)主催のイベントには、各国の反核団体のメンバーたち約100人が参加。赤十字国際委員会(ICRC)やオーストリア政府の担当者が登壇し、求められる禁止事項などについて意見交換した。26日も夕方まであり広島の被爆者や核実験の被害者のスピーチを交えて、非人道性を再確認する。

 一方、安全保障への影響などを理由に交渉開始の国連決議に反対した米国などの保有国は不参加の見通しだ。日本政府は、実質交渉に先立つ初日の各国要人による演説の際に、高見沢将林軍縮大使が日本の立場を表明する方向で議長国などと調整。交渉に実質参加するか否かの最終判断を直前に下す方針という。

(2017年3月27日朝刊掲載)

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