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ドーム周辺の景観 諮問 広島市審議会に市長 本格協議始まる

 広島市の松井一実市長は29日、世界遺産の原爆ドーム(中区)と平和記念公園周辺の眺望景観の在り方について市景観審議会に諮問した。市が検討するドーム北側エリアの建物の高さの法規制を含めた本格的な協議が始まった。

 会合には、景観や都市計画などが専門の委員14人のうち11人が出席した。市の事務局は、平和都市広島の象徴としてドームを貫く南北の軸線を生かした景観を次世代に引き継ぐべきだなどと諮問理由を説明。昨年5月のオバマ米大統領(当時)の訪問でその眺望景観が全世界に発信された点も踏まえ「できるだけ早期に、より実効性の高い景観誘導の枠組みを構築していきたい」と強調した。

 委員からは、若者の意見を聴くよう提案があった。ドーム北側にある旧市民球場跡地と中央公園自由・芝生広場が、サッカースタジアムの建設候補地になっている点を配慮する要素とする発言もあった。

 また、議論の加速へ、具体的な検討を担う専門家部会の設置を了承した。広島大名誉教授で審議会の杉本俊多会長は会合後、記者団に「規制という言葉をまず出すのではなく、市民のコンセンサスをどうつくっていくかを大事に考えている」と述べた。市は審議の材料とするため、新年度にドーム背景のイメージ図を作るという。(渡辺裕明)

(2017年3月30日朝刊掲載)

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