×

ニュース

似島 戦時の歴史つづる 全教広島など冊子

 教職員組合の全教広島などでつくる「原水爆禁止似島少年少女のつどい実行委員会」は、広島市南区の似島を題材にした冊子「似島 廣島とヒロシマ」を発行した。旧陸軍の戦争遺跡や、原爆投下直後に島へ負傷者が運ばれた様子などの証言をまとめた。

 日清戦争が始まった1894年、広島に大本営が置かれたのを機に、似島には外国からの帰還兵の検疫所など軍事施設ができた。原爆投下後には臨時野戦病院となり、1万人以上の負傷者が運ばれたとされる。

 冊子では、島に残っている検疫所の桟橋や井戸、排水路などの遺跡を地図付きで紹介。被爆後に島へ運ばれ一命を取り留めた人や、負傷者の手当てをした元衛生兵たち9人の証言を盛り込んだ。

 「軍都が持つ加害の面と、原爆被害の両面を持った似島を広く知ってほしい」と実行委。A5判、101ページで1500部を作った。700円。全教広島Tel082(264)7850。(加納亜弥)

(2012年8月4日朝刊掲載)

年別アーカイブ