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[核なき世界への鍵] 核禁止「先行条約」で一致 来月にも草案 第1回会議終了

 米ニューヨークの国連本部で開かれていた、核兵器を禁止し、全廃する初の条約制定に向けた交渉会議は3月31日(日本時間4月1日朝)、5日間の第1回会期を終えた。広く核兵器の使用、開発、保有などを対象にした「禁止先行条約」を作る方向で大筋一致。ホワイト議長は各国の意見をまとめ、5月後半にも条約草案を提示する意向を示した。(ニューヨーク発 水川恭輔)

 最終日は、付随する制度の取り決めを各国の政府代表が議論。条約の履行状況を確認するため、定期的な締約国会議を開いたり、関連機関を設置したりすべきだという意見が出た。禁止先行条約にする場合に、現在の保有国が加盟できる条件も議論になった。

 ホワイト議長は討議終了に際し「草案を5月後半に、できれば6月1日より前に参加国に提示したい」と話した。各国の理解を深めるため、スイス・ジュネーブで事前の会合を開いた上で、6月15日~7月7日に国連本部である次回会期で条約成案の採択を目指す考えを示した。

 議長によると、今回は115カ国以上が出席した一方で、段階的な核軍縮を主張する米ロなど核保有国は不参加。非保有国で発効を目指す流れになっている。米国の「核の傘」の下にある日本政府は初日に高見沢将林軍縮大使が演説して、保有国が参加しない交渉は非保有国との分断を深めるなどと主張。実質交渉には参加していない。

(2017年4月2日朝刊掲載)

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