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護衛艦かが 呉初入港 海自最大級 反対派は抗議 ヘリ搭載型

 海上自衛隊で最大級のヘリコプター搭載型護衛艦「かが」(1万9500トン)が3日、母港とする呉市の海自隊呉基地に初めて入港した。海上自衛官や海自隊出身者たち約300人が出迎え、基地周辺では配備に反対する市民団体が街頭演説などで抗議した。

 かがは全長248メートル、幅38メートル。前部から後部まで飛行甲板が広がり、ヘリ5機が同時に発着できる。垂直離着陸輸送機のオスプレイも使用できる。

 哨戒ヘリ7機と救難輸送ヘリ2機を搭載。乗員は約470人で、日本周辺の警戒監視任務や災害時の洋上拠点などの役割を担う。建造費は約1200億円。3月22日に就役した。

 かがは横須賀基地を母港とする「いずも」と同型。船体の両側の開口部に遮へい板を設置し、いずもよりレーダーに探知されにくい。同じくヘリ搭載型護衛艦の「ひゅうが」型より全長が約50メートル長い。

 入港後に呉基地の浮桟橋であった歓迎行事で、遠藤昭彦艦長は「歴史ある呉での勤務を誇りとし、国防の任務にまい進する。海上自衛隊の中枢を担う船として頑張りたい」と誓った。

 ピースリンク広島・呉・岩国のメンバー7人はこの日、海自隊呉地方総監部を訪れ、抗議文を提出した。抗議文は「かが配備は軍備増強に他ならない。軍拡競争を進めてしまう。こうした事態からの脱却を求める」と主張。西岡由紀夫・呉世話人(61)は「反対の声を上げ続け、基地拡大の流れを食い止めたい」と話していた。(浜村満大、見田崇志)

(2017年4月4日朝刊掲載)

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