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入館最多 173万9986人 広島の原爆資料館 16年度 オバマ氏来館効果

 原爆資料館(広島市中区)の2016年度の入館者数は173万9986人で、1955年度の開館以来最多となった。そのうち外国人も36万6779人を数え、4年連続で過去最多を更新。現職の米大統領として初めてオバマ氏が来館するなどし、国内外の関心が飛躍的に高まった。運営する広島平和文化センターが3日、発表した。(野田華奈子)

 全体の入館者数は、これまで最も多かった91年度の159万3280人を2月24日に超え、最終的に14万6706人上回った。

 センターは、昨年5月のオバマ氏の訪問と、その際に市へ寄贈された折り鶴展示の影響が大きいと分析。国連本部で3月に「核兵器禁止条約」の交渉が始まったことや、原爆投下前後の広島と呉を舞台にしたアニメ映画「この世界の片隅に」のヒットも背景にあるとみている。修学旅行など小中学、高校の団体数も4552団体。04年度に次いで多かった。

 本館は耐震工事のため、今月26日に改装オープンする東館と入れ替わる形で同日から閉鎖される。近年は工事の影響もあって混雑解消が課題になっており、3日に市役所で記者会見した志賀賢治館長は「ゆっくりご覧いただく環境は堅持したい。入館を待つ間、映像やパネルで予習できるような場の設置を屋外に検討したい」と説明。対策に取り組む考えを示した。本館の閉鎖後、オバマ氏の折り鶴は東館に移して展示する。

 センターはまた、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(中区)の16年度の入館者数も発表した。34万1491人と過去最多で、うち外国人は約2割の7万8634人だった。

(2017年4月4日朝刊掲載)

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