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原発スタンス 違い鮮明 平和ヒロシマ大会

 原水禁国民会議、連合、核禁会議の3団体は4日、広島市中区の広島グリーンアリーナで平和ヒロシマ大会を開いた。核兵器廃絶に向けた連携を確認したものの、平和大会に先立って原水禁と核禁会議は独自に集会を開催。原発をめぐるスタンスの違いが浮き彫りになった。

 大会には6500人(主催者発表)が参加した。連合の古賀伸明会長は「最終的に原子力エネルギーに依存しない社会を目指す」とあいさつ。原子力の平和利用を推進する核禁会議の加藤秀治郎議長は原発に触れなかった。脱原発を掲げる原水禁の川野浩一議長は「3団体で原発問題の議論を深めないといけない」と呼び掛けた。

 被爆60年を機に平和大会を共催する3団体。だが、昨年3月の福島第1原発事故以降、原発の将来像について主張の違いは鮮明になっている。

 原水禁は平和大会を原水禁世界大会広島大会の開会行事に位置付けてきたが、ことしは独自に開会集会を開催。「核兵器や原発がもたらす『核社会』からの離脱」を柱とする運動方針を確認した。核禁会議は別に開いた集会で「事故を教訓にさらなる安全性向上を求める」とのアピールを採択した。

 古賀会長は「3団体には核兵器廃絶や被爆者援護という共通項がある。それ以外は各自の活動と認め合う」と話すにとどまった。

 一方、日本原水協などの原水爆禁止世界大会は4日、中区の市文化交流会館で「原発依存からの脱却」などを柱とする宣言を採択、国際会議を終えた。続いて中区のグリーンアリーナに会場を移し、世界大会・広島を開会した。(加納亜弥)

(2012年8月5日朝刊掲載)

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