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広島の平和公園 木裂かれる 韓国人慰霊碑脇の3本

 韓国人の原爆犠牲者を慰霊するため、広島市中区の平和記念公園の韓国人原爆犠牲者慰霊碑そばに植えられている韓国の国花ムクゲ3本の幹が何者かに裂かれていたことが6日、分かった。広島中央署が器物損壊の疑いで調べている。

 市によると、ムクゲは高さ約1・0~1・7メートル。3本のうち2本は枝分かれする部分から、根元付近まで裂かれていた。5日午後2時半ごろ、公園の警備員が被害に気付き市に通報。管理する在日本大韓民国民団(民団)広島県地方本部が市から連絡を受け、6日、同署に被害届を出した。

 市が5日午前10時半ごろ公園管理のため、周囲の写真を撮った際は異常はなかった。幹をテープで巻き、応急処置した。

 同本部によると、ムクゲは広島で父親が被爆した被爆2世の前駐広島韓国総領事、辛亨根(シン・ヒョングン)氏が2013年ごろ韓国から持ち帰り、植樹したという。同本部の李英俊(イ・ヨンジュン)団長(55)は「平和の願いも込めて植えられた木。とても悲しい」と話している。(新山京子)

(2017年4月7日朝刊掲載)

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