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「歩こう広島まで」 68人、邑南をスタート

 広島市から邑南町へ逃げた被爆者の足跡を逆にたどる「歩こう広島まで」が4日、スタートした。25回目のことしは12~87歳の68人が参加。同町山田の出羽公民館を出発し、平和への思いをかみしめながら一昼夜歩き5日朝、広島市中区の原爆ドームに到着する。

 同館前であった出発式では、参加者を代表して同町出羽の田中庸三さん(55)が桑野修副町長から松井一実広島市長へのメッセージを、中高生が町内の高齢者たちから千羽鶴をそれぞれ受け取った。

 最初は会話をしながら歩く参加者もいたが、厳しい日差しを浴びながら進むうちに、次第に真剣な表情に変わるとともに、口数も減っていった。

 参加者最高齢の同町雪田、農業矢八一馬さん(87)は「戦争を生き抜いた者として、同世代の冥福を祈りたい」と話していた。(黒田健太郎)

(2012年8月5日朝刊掲載)

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