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法王に広島訪問要請へ 湯崎知事 来月 欧州訪問で謁見

 広島県は11日、湯崎英彦知事の5月上旬の欧州訪問日程を発表した。オーストリア・ウィーンである核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第1回準備委員会に参加するほか、バチカンでローマ法王フランシスコの一般謁見(えっけん)に参列し、広島訪問を直接要請する。

 5月1~7日の日程で、オーストリア、バチカン、ノルウェー、スウェーデンの4カ国を訪れる。県の「国際平和拠点ひろしま構想」推進委員会の阿部信泰副座長と、県職員6人が同行。宇田伸議長たち県議会の訪問団10人もほぼ同じ行程をたどる。

 2日に開幕するNPT再検討会議の準備委を傍聴。会場のウィーン国際センターで同日、県主催のシンポジウムを開く。核軍縮を巡る保有国と非保有国の溝を埋める方策をテーマに、日本を含む各国の政府関係者や専門家がパネル討論する。準備委の議長との面会も予定する。

 3日はバチカンで、宇田議長とともに、法王がサンピエトロ広場で開く定例の謁見に臨む。被爆地広島を訪れ、核兵器廃絶を後押しするメッセージを発信するよう、法王に直接要請する。4、5日は、ノルウェーのオスロ平和研究所、スウェーデンのストックホルム国際平和研究所などを訪問。被爆地の発信力強化に向け、平和研究での連携強化を図る。

 湯崎知事の欧州訪問は、2012年にスイス・ジュネーブの国連訓練調査研究所(ユニタール)本部に招待されるなどして以来、2回目。湯崎知事は、11日の記者会見で「謁見はたくさんの人が並ぶ中で、法王に近い席を確保してもらい、直接会話ができる形になると思う」と述べた。

 県によると、欧州訪問の費用は湯崎知事と阿部副座長、職員の8人分が約1500万円。県議訪問団10人分が約2千万円。(明知隼二)

(2017年4月12日朝刊掲載)

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