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核禁止条約訴え 国連で ピースボート航海の被爆者

 世界各地で核兵器廃絶を訴えるため、非政府組織(NGO)ピースボートの船旅「証言の航海」に参加する広島の被爆者たちが11日、東京都内で記者会見した。「核兵器禁止条約」の制定交渉会議が開かれる6月、会場となる米ニューヨークの国連本部で条約締結を働き掛ける計画などについて意欲を語った。

 参加者は、広島、長崎の被爆者と被爆2世、平和活動に取り組む若者の計7人。横浜港を12日に出発し、核兵器を持つ米国、ロシア、フランスを含む計22カ国を105日かけて巡る。

 広島市東区から参加する田中稔子さん(78)は、トランプ米大統領が核戦力の増強に意欲を示したことに触れ、「被爆者としてじっとしていられない気持ちになった」と強調。「原爆被害の実態を多くの人に精いっぱい話し、禁止条約をつくるしかないと訴えたい」と述べた。

 国連本部では田中さんたち代表者が会議を傍聴し、各国代表に条約制定を訴える。他の寄港地では被爆体験を証言するほか、核兵器を禁止し廃絶する条約の締結を求める「ヒバクシャ国際署名」も集める。

 7人は外務省から非核特使やユース非核特使の委嘱も受けた。(田中美千子)

(2017年4月12日朝刊掲載)

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