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道徳教科書に原爆の子の像 光文書院の小6用 命の尊さ学ぶ題材

 2018年度から教科に格上げされる小学校の道徳で、光文書院(東京)が6年生の教科書に、広島市中区の平和記念公園にある「原爆の子の像」を取り上げた。折り鶴がささげられるようになったエピソードを通じ、子どもたちに生命の尊さを考えてもらう。

 A4判変型、192ページのうち、4ページを充てた。「羽ばたけ、折り鶴」の題名で、像のモデルとなった佐々木禎子さんを紹介する。父親から「折り鶴を千羽折ると、願いがかなうと言われている」と聞き、被爆による白血病で入院中に鶴を折ったと説明。「禎子さんはどんな思いだったのか」と問い掛ける。現在も国内外から届く折り鶴に込められた願いを考えることも促している。

 文部科学省は学習指導要領で、「生命の尊さ」を道徳で教える内容の一つに挙げる。小学校教諭たち編集委員が「命と平和の大切さを学ぶ題材としてふさわしい」と掲載を提案。文科省の教科書検定に合格した。

 5年生の教科書では、原爆ドーム(中区)など国内にある世界遺産を取り上げ、「夏休みの自由研究で調べた」との設定で、厳島神社(廿日市市)の成り立ちや建物を写真入りで詳報している。いずれも、教育委員会などが採択すれば授業で使われる。(村田拓也)

(2017年4月15日朝刊掲載)

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