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「原発は核保有と同じ」 浪江町長

 福島第1原発事故で全町避難を余儀なくされている福島県浪江町の馬場有町長が5日、広島市の平和記念式典(6日)に出席するのを前に中区で記者会見し、「原発事故の被曝(ひばく)者救済に向け、広島に学びたい」と話した。

 馬場町長は「暮らしを崩壊させた放射能はもういらない。原発は『核』を保有するということと同じ。抑止力が利かない国際情勢では軍事利用に転用される可能性もある」と強調。「核兵器廃絶に向け、広島や長崎と思いを共有したい」と語った。

 式典に出席する野田佳彦首相に対しては「福島の再生なくして日本の再生なし、との発言を忘れているのでは」と述べ、スピードが遅い政府の復興施策を批判した。

 浪江町は「放射線健康管理手帳」を独自に作り、全町民に配布。広島、長崎の被爆者と同様の援護を国に求めている。馬場町長は7日までの滞在中、松井一実市長や広島県被団協の坪井直理事長と面会し、援護策について助言を求める。(加納亜弥)

(2012年8月6日朝刊掲載)

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