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「核なき世界を」 張本さん始球式 マツダスタジアムでピースナイター

 核兵器廃絶や平和への願いを発信する「ピースナイター2012」が5日、広島市南区のマツダスタジアムであった。南区出身の被爆者で野球解説者の張本勲さん(72)が、カープ対阪神戦の始球式をし、核兵器のない世界の実現を願った。

 巨人などで活躍した張本さんは、現役時代と同じ背番号10の、カープのユニホーム姿で登場。打席には阪神の金本知憲外野手が立った。大きなモーションでゆっくり投じ、白球がミットに収まると大歓声が起きた。

 始球式の後、張本さんは「核廃絶に皆さんが立ち上がってくれればと願っています」と報道陣に語った。

 五回終了後、約3万290人の観客が中国新聞の別刷りを掲げた。別刷りは緑と赤の2種類。原爆ドームと同じ高さ約25メートルの位置にある内野席の観客が赤を広げ、緑に染まったスタンドに赤い「ピースライン」を浮かび上がらせた。

 昨年に続いてピースナイターを観戦した呉市の主婦宮原克子さん(76)は「悲劇を二度と繰り返してはいけない」と話していた。

 ピースナイターは、広島東洋カープ、広島平和文化センター、広島電鉄、生協ひろしま、中国新聞社が主催した。(榎本直樹)

(2012年8月6日朝刊掲載)

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