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5基の廃炉計画認可 島根1号など新基準で初 規制委

 原子力規制委員会は19日、中国電力島根原発1号機(松江市)の廃炉工程を定めた「廃止措置計画」を認可した。東京電力福島第1原発事故後の新規制基準での認可は初めて。中電は安全協定に基づき島根県と松江市の了解を得られれば、約30年に及ぶ廃炉作業を始める。

 規制庁の安全規制管理官が定例会合で、安全面の記述を一部修正した審査書を提示。委員から異論は出ず、計画の認可を決めた。会合後、別の担当職員が同庁内で中電原子力部門の担当部長に認可書を渡した。

 この日は島根1号機のほか、関西電力美浜1、2号機(福井県)、日本原子力発電敦賀1号機(同)、九州電力玄海1号機(佐賀県)の計4原発5基の計画が同時に認可された。いずれも運転開始から40年が経過し、廃炉にすることは2015年3月に決まっていた。

 島根1号機は、作業工程を4段階に分け、45年度までに約382億円をかけて取り壊す。ただ解体で出る低レベル放射性廃棄物の処分場所は決まっておらず、中電にとって課題も多い。

 規制委の田中俊一委員長は定例会見で「廃棄物の最終的な処分は一朝一夕にいかない。安全にきちっと廃棄物を管理することが大事」と指摘した。

 中電はこの日、計画の認可を島根、鳥取両県と6市に報告するとともに、島根原発内に新部署「廃止措置・環境管理部」を4月下旬に設けることも発表した。中電は「安全の確保を最優先に、廃止措置を適切かつ着実に進める」としている。(河野揚)

(2017年4月20日朝刊掲載)

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