×

ニュース

戦死者に国籍関係ない 被爆米兵調査 森さん、岩国で講演

 広島で原爆の犠牲になった米兵の調査や追悼を続けてきた被爆者で歴史研究家の森重昭さん(80)=広島市西区=の講演会が22日、岩国市岩国の市中央公民館であった。

 約60人を前に森さんは、米兵の調査を進めた経緯や遺族との交流などについて紹介。「日本人も米国人もない。どのように亡くなったか伝えたかった」と力を込めた。

 昨年5月、オバマ米大統領(当時)が広島を訪れた際、平和記念公園での行事に招かれたことについても話した。「犠牲になった米兵について演説で触れてくれて涙が出た。大統領に肩を抱き寄せられ、心が通じ合ったと感じた」と涙ながらに語った。

 訪れた柳井市のパート事務員角田かおりさん(41)は「北朝鮮問題もあり危機感を感じる中、戦争はいけないとあらためて感じた」と話していた。講演会は岩国ユネスコ協会が主催した。(馬上稔子)

(2017年4月23日朝刊掲載)

年別アーカイブ