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菊の紋章 直径1メートル 大和潜水調査 定説の3分の2 呉 艦首模型あすから展示

 機密のベールに包まれた戦艦大和の艦首部分に取り付けられていた菊の紋章の直径が1メートルだったことが分かった。定説より小さい。昨年5月に東シナ海の沈没海域を調べた潜水調査の成果を24日、市が報告した。

 菊の紋章は、1999年の前回潜水調査の結果から直径1・5メートルとされてきた。大和ミュージアム(呉市)に展示中の大和の10分の1模型もそれに基づき設計されている。

 昨年5月の調査では、無人潜水探査機を使い、物差しとレーダーで新たに測り直した。旧海軍の当時の基準では、戦艦の菊の紋章は直径1・2メートルと定められていた。大和は当時、世界最大級だったにもかかわらず、他の戦艦より菊の紋章が小さかったことになる。

 同ミュージアムの戸高一成館長は「大和はできるだけ小さく造ろうと努力した船。その流れの中で菊の紋章も小さくなったのではないか」と推測する。大和は世界最大級の「46センチ主砲塔」を備えていたが、全長はできるだけ抑え、艦橋の高さも他より低いコンパクトな設計が施されていた。重量の軽減、高速航行や悪天候の下での安定性を重視したという。

 同ミュージアムでは26日、潜水調査の成果をまとめた企画展が開幕。水深約350メートルの海底に横たわる艦首部分を原寸大で再現した模型も展示する。(今井裕希)

(2017年4月25日朝刊掲載)

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