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被爆67年式典 原発ゼロの課題検討

 野田佳彦首相は6日、広島市中区での平和記念式典であいさつし、「脱原発依存の基本方針の下、中長期的に国民が安心できるエネルギー構成の確立を目指す」と強調した。式典後の記者会見ではこれに関し、原発依存度を将来ゼロにした場合の課題や克服策の検討に入る考えを表明した。

 首相は同日夕、枝野幸男経済産業相や細野豪志環境相、古川元久国家戦略担当相を官邸に呼び、検討を指示した。

 将来のエネルギー・環境政策に関する国民からの意見聴取会では、約7割が2030年の原発比率を「0%」にする案を支持。官邸前で抗議行動を呼び掛けている団体を代表するメンバーとの面会を8日で調整していることもあり、世論の動向に配慮する狙いがあるとみられる。

 その上で、首相は新たなエネルギー戦略の決定時期について「スケジュールありきでなく、国民的な議論の深まりを見たい」と説明。当初方針の8月末までの決定にこだわらない姿勢も示した。

 一方、被爆者の間で「基準が厳し過ぎる」との声がある原爆症認定制度の見直しについては、厚生労働省の検討会が現行制度の改善を打ち出した6月の「中間報告」に触れ、具体的な制度設計を含む最終報告へ議論を急ぐ方針を明示した。(岡田浩平)

(2012年8月7日朝刊掲載)

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