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被爆67年式典 平和の祈り 世界と

 平和記念式典には、71カ国と欧州連合(EU)の代表が参列し、核兵器廃絶の訴えと平和への祈りに触れた。核保有5カ国は、中国を除く米国、ロシア、フランス、英国の4カ国が出席。フランスと英国は、初めて駐日大使が訪れた。核拡散防止条約(NPT)に加盟せず保有するインドとパキスタン、事実上の保有国のイスラエルも参列した。(新本恭子、柳岡美緒)

 米国の参列は3年連続で、駐日大使の出席は2回目。厳しい表情で前を見つめたジョン・ルース大使は午前8時15分、目を伏せ、黙とうをささげた。

 英国のディビッド・ウォレン駐日大使は式典後、「国際的な条約を通じ核兵器のない世界をつくりたい」と強調。「式典を経験し、核兵器の悲惨さをより理解できた」とした。

 フランスのクリスチャン・マセ駐日大使も「被爆者に敬意を払い、忘れないため一度足を運びたかった」。原発大国の代表として「原子力エネルギーと核兵器は分けて考えるべきだ。核不拡散とともに、原子力エネルギーに高い安全性を求めていく」と話した。

 記憶の継承に関心を示す国も。約100年前の戦争で民族を大量殺害された歴史があるアルメニアのグラント・ポゴシャン駐日大使は「証言や手記などさまざまな形で体験を引き継がねば」と訴えた。

(2012年8月7日朝刊掲載)

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