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平和宣言案作りへ初会合 広島で懇談会 核兵器巡る情勢共有

 広島市長のことしの平和宣言の文案を検討する、有識者や被爆者の懇談会が25日、市役所で初会合を開いた。核兵器廃絶を巡る厳しい国際情勢への認識を共有。被爆者や市民の思いを踏まえて国際社会にメッセージを発信する重要性を確認した。

 座長の松井一実市長をはじめ、委員10人のうち9人が出席。日本軍縮学会の元会長で大阪女学院大の黒沢満教授を招き、「核兵器禁止条約」の制定を目指す非保有国や、逆に核増強の姿勢を見せる米ロや北朝鮮の動向について聞いた。

 その後の非公開の意見交換では、核兵器廃絶へ前途多難な現状を憂うとともに「大変だからやらねばならない」との声が出たという。終了後、松井市長は記者団に「武力、抑止力を使わずに問題解決すべきだとこの局面で言わねば」と述べた。政治指導者の広島訪問や、7月にも成案ができる禁止条約の実効性向上への言及にも意欲をみせた。

 懇談会は5月中旬の次回で実質議論に入る。6月上旬に骨子を、7月上旬に文案を検討。意見を踏まえ、原爆の日までに松井市長が起草する。(岡田浩平)

(2017年4月26日朝刊掲載)

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