ヒロシマ発信 世界で連携 湯崎知事 来月に欧州歴訪
17年4月26日
広島県の湯崎英彦知事が5月1~7日、欧州を訪問する。オーストリア・ウィーンであるNPT再検討会議の第1回準備委員会に合わせてシンポジウムを開くほか、共同研究を予定するスウェーデンのSIPRIを訪ねて連携強化を図る。欧州訪問の狙いや期待する成果を聞いた。(明知隼二)
―NPT再検討会議の準備委に合わせて現地でシンポを開く狙いは何ですか。
「核兵器禁止条約」の議論などで、核兵器保有国と非保有国の対立はむしろ深まっている。両者が集まるNPTの会合で、耳を傾けてもらいやすい被爆地の立場を生かしてつなぎ役を務めたい。すぐに物事が動かなくても、政策決定に関わる人たちに考えるきっかけを提供することが重要だ。
―SIPRIとの連携は、どう具体化させていきますか。
県内には、広島大や広島市立大、広島修道大などの研究機関があるが、世界に届く情報を発信するには資金も体制もより充実させる必要がある。県が掲げている国際平和拠点のセンター構想は、国際社会から意見を求められるような影響力のある研究機能が目標だとすれば、進み具合はまだ1割ほど。私の任期で終わる話ではない。まずは研究者のチームをつくってSIPRIとの共同研究を進めるなど、取り組みを積み重ねたい。
―自治体が担うにはハードルが高いですね。
そういう議論はあるかもしれない。ただ、核兵器廃絶は県民の願いであり、広島の地を受け継ぐ者の責務だとも思っている。もちろん、県が多額の税金を長期にわたって出し続けることは難しい。運営資金の獲得は大きな課題だろう。
―バチカンではローマ法王フランシスコと一般謁見(えっけん)し、直接、被爆地訪問を要請します。
宗教や国家間の対立など国際社会は難しい状況にある。だからこそ、カトリックの頂点で発信力のある法王に、広島から平和を希求するメッセージを発してもらう意味がある。思いを受け止めてもらえると期待して訪れたい。
湯崎知事の欧州訪問の主な日程は次の通り。
【5月2日】オーストリア・ウィーンでNPT再検討会議第1回準備委、県主
催シンポジウム
【3日】バチカンでローマ法王フランシスコに一般謁見
【4日】ノルウェーでオスロ平和研究所など訪問
【5日】スウェーデンでストックホルム国際平和研究所を訪問
(2017年4月26日朝刊掲載)
―NPT再検討会議の準備委に合わせて現地でシンポを開く狙いは何ですか。
「核兵器禁止条約」の議論などで、核兵器保有国と非保有国の対立はむしろ深まっている。両者が集まるNPTの会合で、耳を傾けてもらいやすい被爆地の立場を生かしてつなぎ役を務めたい。すぐに物事が動かなくても、政策決定に関わる人たちに考えるきっかけを提供することが重要だ。
―SIPRIとの連携は、どう具体化させていきますか。
県内には、広島大や広島市立大、広島修道大などの研究機関があるが、世界に届く情報を発信するには資金も体制もより充実させる必要がある。県が掲げている国際平和拠点のセンター構想は、国際社会から意見を求められるような影響力のある研究機能が目標だとすれば、進み具合はまだ1割ほど。私の任期で終わる話ではない。まずは研究者のチームをつくってSIPRIとの共同研究を進めるなど、取り組みを積み重ねたい。
―自治体が担うにはハードルが高いですね。
そういう議論はあるかもしれない。ただ、核兵器廃絶は県民の願いであり、広島の地を受け継ぐ者の責務だとも思っている。もちろん、県が多額の税金を長期にわたって出し続けることは難しい。運営資金の獲得は大きな課題だろう。
―バチカンではローマ法王フランシスコと一般謁見(えっけん)し、直接、被爆地訪問を要請します。
宗教や国家間の対立など国際社会は難しい状況にある。だからこそ、カトリックの頂点で発信力のある法王に、広島から平和を希求するメッセージを発してもらう意味がある。思いを受け止めてもらえると期待して訪れたい。
湯崎知事の欧州訪問の主な日程は次の通り。
【5月2日】オーストリア・ウィーンでNPT再検討会議第1回準備委、県主
催シンポジウム
【3日】バチカンでローマ法王フランシスコに一般謁見
【4日】ノルウェーでオスロ平和研究所など訪問
【5日】スウェーデンでストックホルム国際平和研究所を訪問
(2017年4月26日朝刊掲載)