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呉・下蒲刈で歴史探訪 ソウル-東京「通信使ウォーク」一行 日韓市民が児童と交流

 江戸時代の朝鮮通信使と同じ韓国・ソウルから東京までの道のりを日韓の市民がたどる「朝鮮通信使友情ウォーク」のメンバー40人が26日、寄港地だった呉市下蒲刈町を訪れた。島内を歩いて、児童とも交流。通信使にまつわる関連資料の世界記憶遺産登録に向け、機運を高め合う決意を新たにした。

 文化施設「松濤園(しょうとうえん)」内の資料館で、施設を運営する蘭島文化振興財団の学芸員から当時の歓迎ぶりを学んだ。その後、下蒲刈小まで移動。雨の中、記憶遺産登録を呼び掛けるゼッケンを着けたバッグを背負い、約3キロを歩いた。

 下蒲刈小に着くと5、6年11人が伝統の和太鼓で歓迎。一行はお返しに「アリラン」を歌ったり、「ふるさと」を一緒に合唱したりして交流を深めた。京畿道の主婦張禎允(ジャン・チョンユン)さん(58)は「歓迎で心がつながった。友情をもっと深めたいと思った」と喜んでいた。

 友情ウォークは日本ウオーキング協会(東京)や韓国体育振興会などが主催。2007年から隔年で開いている。6回目の今回は1日にソウルを出発した。5月22日まで52日間かけて東京に向かう。約2千キロのうち、フェリーやバスを除き、約1200キロを歩く。

 一行を出迎えた同財団の柴村隆博事務局長(65)は「下蒲刈の貴重な資料を見てもらい、登録の機運を一層盛り上げてほしい」と願っていた。一行は、27日には福山市鞆町を訪問する予定。(見田崇志)

朝鮮通信使
 朝鮮王朝が修好のため派遣した外交使節。江戸時代は1607~1811年の間に計12回訪れた。呉市下蒲刈町には11回立ち寄った。同町では毎年10月、再現行列がある。

(2017年4月27日朝刊掲載)

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