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岸田外相 NPT準備委へ

 岸田文雄外相は26日、中国新聞のインタビューに応じ、5月2日にオーストリア・ウィーンで始まる核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第1回準備委員会に出席し、演説すると明らかにした。「核軍縮を進めるため、核兵器保有国と非保有国は協力しなければならないと、しっかり働き掛けたい」と述べた。

 準備委は12日まであり、約190カ国が核軍縮、不拡散の情勢や課題を話し合う。外務省によると閣僚の準備委出席は珍しい。岸田氏は初日に演説し、保有国を巻き込み、現実的な核軍縮を段階的に進める立場をあらためて示す見通しだ。

 日本は、米ニューヨークの国連本部で3月に始まった「核兵器禁止条約」の制定交渉に参加していない。岸田氏は「交渉は保有国の参加を得ず一方的」と指摘し「保有国と非保有国の対立が深刻になっているとの危機感が準備委に出席しようとの思いにつながった。NPTは両者が参加する重要な枠組みだ」と強調した。

 準備委では、核兵器禁止を掲げる広島市の松井一実、長崎市の田上富久の両市長が出席して演説する。広島県の湯崎英彦知事も参加し、同じ会場で県主催のシンポジウムを開く。(田中美千子)

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 外務省は26日、岸田外相がオーストリア以外にも米国、トルクメニスタンを訪問すると発表した。27日~5月3日の日程。

(2017年4月27日朝刊掲載)

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