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原爆悲惨 学び深める場 資料館東館 一般公開始まる 広島市中区

 原爆資料館(広島市中区)は26日、常設展示を全面的に見直した東館の一般公開を2年8カ月ぶりに始めた。最新の映像・情報技術を取り入れ、核兵器の非人道性や原爆投下後の広島の歩みを伝える。入れ替わる形で本館はこの日から閉鎖。展示を刷新し、来年7月にオープンする。

 開館前のセレモニーで松井一実市長は「失われた市民の暮らしに思いをはせ、絶対悪である核兵器の非人道性と脅威を深く理解してほしい」とあいさつ。志賀賢治館長たちとテープカットした。午前8時半に開館すると、修学旅行生や観光客が続々と訪れ、映像やパネルに熱心に見入った。

 東館では、1分半のCG映像を市街地の模型に投影し、原爆投下で瞬時に暮らしが失われる様子を表す「ホワイトパノラマ」や、展示の関連情報を検索できる端末「メディアテーブル」を新たに設置。原爆に関する幅広い知識を得る場という位置付けで展示されている。

 本館は、被爆資料や遺品から犠牲者の命に向き合ってもらう役割を担う。休館中は、犠牲者が被爆時に着ていた衣服や三輪車など本館で展示していた実物資料の一部を東館1階で仮設展示する。市は本館の展示見直しと同時に耐震化も計画。工事は2019年夏まで続く。(野田華奈子)

(2017年4月27日朝刊掲載)

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