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被爆67年 未来へ歩む 被爆地取材し被災地へ発信

 フクシマの子どもや記者が6日、広島市中区の平和記念公園であった平和記念式典を訪れた。67年前に原爆で焼き尽くされた街を、緑あふれる姿によみがえらせたヒロシマ。その姿を福島第1原発事故によって核の影に覆われた古里に重ね合わせ、復興への希望と勇気をあらためて心に刻んだ。

 福島第1原発事故による放射能汚染と向き合う福島民友新聞社(福島市)の須田絢一記者(32)が、平和記念式典を取材した。核の影に脅かされながらも古里の復興に努めてきた被爆地の夏をリポートする。

 式典会場では、福島県の遺族代表佐川正一郎さん(60)=矢祭町=の姿を追った。「福島への偏見をなくすため、放射能被害について正しく理解してほしい」。佐川さんの訴えをノートに書き留め早速、7日付の福島民友新聞朝刊に記事を書いた。

 須田記者は7月28日に広島入り。広島県内に避難している被災者と会った。被爆者団体を訪ね、被爆者援護の歩みなども学んだ。今後の連載記事に生かす。「被爆者自身の力で援護が広がった歴史などを記事で伝え、古里の復興を後押ししたい」と話していた。

 広島市が全国のジャーナリストを対象に開く「ヒロシマ講座」の参加者として訪れた。東北や関西、四国地方の記者9人と7日まで平和関連の行事などを取材する。(村上和生)

(2012年8月7日朝刊掲載)

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