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被爆67年 移動劇団「桜隊」しのぶ 都内で「原爆忌」

 広島で原爆の犠牲になった移動劇団「桜隊」を追悼する「桜隊原爆忌」が6日、慰霊碑のある東京都目黒区の五百羅漢寺であった。主催の「桜隊原爆忌の会」会長を務め今年2月に亡くなった俳優中村美代子さんや、桜隊を描いた映画を残した新藤兼人さんら故人の足跡もしのんだ。

 「桜隊」は俳優丸山定夫さんらが戦時中に結成。巡業中、堀川町(広島市中区)で被爆し9人が亡くなった。

 遺族や関係者ら約110人が出席。法要後の追悼会では「ヒロシマの心を伝えてほしい」とする広島市の松井一実市長のメッセージが読み上げられた。

 メンバーの生きざまをしのぶ朗読劇を披露し、映画「人間の条件」など中村さんが出演した作品の一部も放映。新藤さんが以前、妻の故乙羽信子さんと桜隊原爆忌に参加したエピソードなども紹介された。

 会の近野十志夫事務局長(67)は「メンバーの高齢化が進む。次世代のリーダーに思いを託していきたい」と話していた。(山本洋子)

(2012年8月7日朝刊掲載)

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