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「供木運動」の発信強化 復興の原点 経緯知って 広島市 平和大通りに説明板

 広島市は、原爆で焼け野原となった市中心部に豊かな緑を取り戻す原点となった「供木運動」の発信に力を入れ始めた。戦後の財政難で県内の自治体に樹木の寄付を依頼した経緯を伝える説明板を、平和大通りに設置。健全に保ち後世へ継承するため、今も残る供木の維持管理も進める。(渡辺裕明)

 説明板はアルミ製で高さ約1・9メートル、幅約0・4メートル。平和記念公園(中区)の南側や平和大橋(同)の東側など緑地帯4カ所に3月末、設置した。

 供木運動を紹介し、「平和大通りの緑豊かな木々は被爆直後に『75年間は草木も生えない』とも言われた広島の復興と平和の象徴です」と記す。供木を呼び掛けるポスターや樹木を植える様子などの写真も添える。外国人向けに英文も併記し、将来はQRコードを付けて多言語化を進める。

 平和大通りは1946年の計画を基に整備が始まった。しかし、財政難の市は思うように樹木を植えられず、多くの緑地帯が土のままだったため、県内全域に「広島の地を永遠の緑で覆われた平和郷に」と供木を呼び掛けた。57、58年の2年間で、草花を含め9573本が寄せられ大通りや平和記念公園などに植えられた。

 市は2015、16年度に、県内の自治体を通じて57、58年に寄せられた供木や、それ以外の寄付樹木の実態を調べた。大通りで供木と推定されるのはクスノキやイチョウなど360本で、寄付樹木は73本を確認。公園には供木が推定2本、寄付樹木が199本あったという。

 今後、市は樹木が衰弱した場合、定期的に状況を確認し、必要な対策を取る。本年度は関連予算として50万円を計上している。市緑政課は「平和や復興への願いが託された緑化の活動を広め、未来に継承していきたい」としている。

(2017年4月29日朝刊掲載)

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